ムサシアブミ

学名Arisaema ringens (Thunb.) Schott
分類オモダカ目 サトイモ科 テンナンショウ属
原産地日本、台湾、朝鮮半島、中国南部
開花時期4月頃

ヘビが鎌首をもたげてにらみつけているような見た目の、特徴的な花です。

このヘビのように見える部分は、正確には花ではなく葉が変化した「仏炎苞」と呼ばれるものです。
本当の花は、口の中に見える白い突起の根元にあります。

食虫植物のようにも見えますが、虫を食べることはありません。
しかし、虫を中へ誘い込む仕組みになっています。

虫を食べる?食べない?

食虫植物と違って、虫を消化して栄養にするのではなく、花粉を運んでもらって受粉をし、子孫を残すためにこのような形になっています。

内部の白い突起(付属体)からは虫を誘引する匂いが出ています。
この匂いにつられてきた虫は仏炎苞の中に入ります。

雄花に入った虫は体に花粉をつけて、仏炎苞の下部にある隙間から脱出できますが、雌花には出口がなく、中に入った虫は、そのまま命を落とすともいわれています。

この虫の犠牲があるからこそ、ムサシアブミは子孫を残すことができるのです。