シャガ

分類

草花、多年草、山野草
アヤメ科 アヤメ属

開花時期

4,5月頃

見どころ

●種ができない植物!?

 シャガは「3倍体」と呼ばれる、ちょっと変わった特徴を持つ植物です。これは、染色体(遺伝情報を持つもの)が3組あるということ。

 人間などの動物は、ふつう2組の染色体を持っていて「2倍体」といいますが、植物の中にはそれより多くの染色体を持っているものもたくさんあります。こうした植物を「高次倍数体(こうじばいすうたい)」と呼びます。

 でも、染色体の組み合わせが“奇数”だとうまくいかないことがひとつあります。それは「種(たね)」ができないこと。染色体を半分ずつに分けることができず、生殖に必要な減数分裂ができなくなってしまうためです。

 シャガもそのひとつで、花は咲くけれど、種は作れません。そのかわりに「根茎(こんけい)」とよばれる地下の茎を伸ばして増えていきます。

 つまり、日本中に咲いているシャガは、実はみんなクローン!同じ遺伝子を持った仲間なんです。

 ちなみに、「バナナ」や「種なしスイカ」もこの仕組みをうまく利用して作られているんです。